JR松本駅に降り立つ機会があったら探してみてください。駅前ロータリーの時計塔に「楽都」の文字があります。世界的指揮者、小澤征爾さんの文字です。
松本市で開催される夏の音楽祭セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)の季節がいよいよやってきます。新型コロナウイルスの影響で観客を入れての公演は3年ぶりです。世界的音楽祭として知られるOMFは今年が30周年、松本市民が〝宝物〟として大切にしてきたこれまでの歴史があります。
町場でさらっと語られるウラ話がいかにも楽都、日々の暮らしの傍らにいつも音楽がある。街の老舗喫茶店には楽団メンバーの依頼で誕生した裏メニューがあり、こだわりの味を提供するそば店主は自らオペラの舞台に立つ。
今この街にあるのはアーティストと市民がともに育んできた確かな文化。松本を歩いた時に感じる特有の気持ちよさの背景にそれがあるとしたら、これぞスゴヂカラだと思います。