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アナウンサーコラム

天龍村の中井侍銘茶を探る|松坂彰久

茶摘み|天龍村の中井侍銘茶を探る

信州お茶あるある!一口お茶を飲むとすぐ注ぎ足される。その繰り返しが永遠に。お茶受けは漬物。茶どころ静岡出身の私にはカルチャーショックでした。でもそれこそが、信州流のおもてなし。

信州でお茶と言えば、天龍村。眼下に広がる天竜川の豊かな流れ。転がり落ちそうな傾斜地にしがみつく様に茶畑が広がる、中井侍地区です。ふんだんに降り注ぐ太陽や天竜川から立ち上る朝霧を浴びて育ったお茶。しかもその一番茶だけを手摘で収穫します。甘くて旨味が強いのです。

短い収穫時期には、家族や近所の知り合い総出の作業が続きます。私も勇躍、お手伝い、しかし。ものの30分でギブアップ。30度近い急斜面で腰が悲鳴を上げた。一番茶以外の葉を摘んで叱られた。私よりご高齢の皆さん方は、軽やかに颯爽と摘む。しかもなにより楽しそう。大量生産とは真逆の、ほとんど市場に出回らない貴重なお茶。だからこそ十一軒の農家が大切に守り続けています。

『三国境の天竜川こえた 風が送るよ茶の香り』
中井侍に伝わる茶摘み唄が、朗々と急峻な茶畑に響き渡ります。