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アナウンサーコラム

地名を歩く 城下町・松代編|山岡秀喜

長野大学 市川正夫特任教授・山岡秀喜(abnアナウンサー)|地名を歩く 城下町・松代編

「ここもカギノテです!」「はて、カギノテ?」信州を知り尽くした地理の専門家・長野大学の市川正夫教授と訪ねる城下町の旅。地名の由来から、歴史を解き明かしていきますが、耳で聞いただけでは分かりくい〝呪文〟のような地理用語も登場します。

城を中心に造られた都市で特徴的な道路が「カギノテ」です。漢字だと「鉤の手」「鍵の手」と書きます。長野市長沼地区や今回訪れた松代町には、いくつもの「カギノテ」があります。直線道路が直角に折れ曲がり、またすぐに90度曲がって、元の進行方向に戻るクランク状の道筋です。特に車で通ると、見通しは悪いわ、スムーズに進めないわ、対向車が気になるわ、生活道路としては使い勝手が良くない。でも、それが街の設計者の狙いだったのです。

城下町は、敵から身を守るための「防御機構」として整備されてきました。「カギノテ」や「丁字路」は一気に攻め込まれないために施された工夫だそうです。大切な歴史の名残を、街歩きで発見できました。

新しく覚えた言葉は、すぐに使いたくなるタチ。今度どこかで見つけたら「カギノテカギノテ!」得意顔で唱えることでしょう。