「金を残すは三流、名を残すは二流、人を残すは一流」。野村克也さんの名言です。未来のために後継者を育てる、どんな仕事においても大切。そしてそれのなんと難しいことか。でも今回、一筋の光がキラリ、です。
佐久市旧浅科村、矢島地区。戦国時代から「凍み豆腐」作りが行われています。卵と一緒に甘く煮たの、好きだなあ。おばあちゃんの味ね。
かつては地区の半数、約60戸で、生産されていたそう。自然凍結と乾燥を繰り返しながらの手作り、機械とは違う滑らかな味わいが生まれます。身を切る厳しい寒さがもたらす冬の贈り物。ただ、生産農家は、現在4軒だけ。
この伝統食に東京からのIターン青年が挑戦しています。今の時期は、朝3時起き。厳寒の中、孤独な作業が始まります。たった一人、重労働、冷たい、手間がかかる。だから高齢になると継続は難しい。凍結は、夜、そして、外。雪も風も大敵。約2時間おきに夜空を見上げる。私は一日密着しただけで、もう参った。
「全然苦労じゃないです、好きだから」と。彼が作る凍み豆腐を食べることでしか応援できない。そう思う人が番組をご覧になって増えるといい。