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アナウンサーコラム

書道のまち!長野市篠ノ井の書在地|松坂彰久

驥山館 館長 川村龍洲さん・松坂彰久アナウンサー|書道のまち!長野市篠ノ井の書在地

小学6年生まで書道教室に通っていました。熱心じゃあなかったなあ。正月の書き初めの最中、鼻水がポタリと半紙に。あの時の先生の顔、半世紀経った今でも忘れない。あの瞬間、私の短い書道人生は終了しました。

長野市篠ノ井は「書道」の町。川村驥山(かわむら きざん)という希代の書家に由来しています。ご存じでした?書道界で初の日本芸術院賞を受賞した、今で言うレジェンド。戦後の書道界を筆一本で牽引しました。疎開先の篠ノ井で晩年を過ごし、彼の作品が展示されているのが『驥山館』。凄いです。足を踏み入れると、動けなくなった。5歳で書いた作品に心を鷲掴みにされた。「書」ってその人の生き様が迫ってくる。大酒飲み、でも全く乱れない。酩酊して書いた作品が代表作になった。彼をもっと知ってほしい、切実に。

篠ノ井駅には市内の小学生の作品が展示され、驥山館では、書道教室が開かれています。流石書道の町。墨汁の匂いは、私達のDNAに息づく。腕に覚えがある私(二段なんですよ、これでも)、久々に筆を持ち、墨痕鮮やかに書いたその言葉とは…。