おぉ!信州人

おぉ!信州人

おぉ!信州人取材記

2人合わせて112歳!

「賢さん松ちゃん」2人合わせて112歳! アウトドア派の俳優の中本賢さんと、虫も触れない私は56歳の同級生コンビです。なぜかウマがあい、かれこれ10年以上の深~いお付き合いになりました。

column木曽路の旅以来、1年ぶりに中年ライダーが復活した今回は、緑滴る美しい信濃町をカブ風バイクで爆笑、いや爆走します。

澄み渡った青空にそびえる黒姫山。満々と水をたたえ、田植えを待つ田んぼ。カエルたちも盛んに合唱を始めていました。山からほとばしる水は、目が覚めるほどの冷たさです。ちょっとくたびれた2人には、これ以上ない信濃町からの贈り物でした。

「気持ちいいね、賢さん。おっ、田んぼの中に、俳句をたしなむ人の姿が」

「誰だい、あれは、松ちゃん」

信濃町と言えば、2万句に及ぶ作品を残した俳人・小林一茶の故郷。今年はまさに生誕250年です。

ちょっと怪しげな俳人に賢さんが尋ねました。

「あなたは、一茶さんですか」

「いいえ、私は小林一茶ならぬ『小林ラッ茶』です」

「おぉ信州人」でおなじみの旅人・ラッシャー板前さんでした。

50歳で、江戸から帰郷した一茶は、優しく迎えてくれた信濃町で多くの作品を残しました。65歳で命を懸けて残した子供。涙なくしては語れない波瀾(は・らん)万丈の一茶の人生を、ラッシャーさんがひもときます。

冬の厳しさは生易しくはないのに、なぜ人々は信濃町を離れないのか。どうして他の土地から移り住む人が後を絶たないのか。黒姫からの爽やかな風が、その答えを教えてくれました。

今回もグッとくる魅力的な信州人を大勢ご紹介しますよ。