おぉ!信州人

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おぉ!信州人取材記

華麗なるカレーの歴史や謎

食欲がなくなりがちな夏に食べたくなるのは、カレーです。「おぉ!信州人」8月号は、信州の華麗なるカレーの歴史や謎をひもときます。そこには、カレーに人生をかけたドラマがありました。

20130806ご存じでしたか? 新宿中村屋の創業者・相馬愛蔵さんが信州人だということを。1927(昭和2)年に発売されたインド式カリーの歴史は、愛蔵さんと、あるインド人との運命的な出会いから始まりました。

インドから日本に亡命してきたボースさんと出会った愛蔵さんは、追われる身のボースさんを気の毒に思い、中村屋にかくまいました。するとボースさんはその恩返しに、祖国のカリーを愛蔵さんに伝授。本物にこだわりぬいたカリーは中村屋の喫茶部で出されることになりました。

それ以来、おいしいインドカリーを追求している中村屋は、カリー専用のお米、チキン、野菜を栽培・飼育しています。一口食べると「辛い! でも甘くておいしい」という不思議な感覚。まさに研究と努力と工夫を重ねた純インド式カリーなのであります。

そんな取材を重ねたある日、埼玉県のスパイス工場で大事件が勃発しました。

いくつかのスパイスを味見させていただき、香りや爽やかさを味わい、最後に差し出されたのが世界一辛いというインドの黒コショウでした。1粒口に入れて奥歯でガリッ。数秒すると「ヒャー!!!」。口から火が出てきて、さらに数分後、全身から滝のような汗が。首筋、腕、背中……。髪がお風呂上がりのようにぐっしょりぬれて、服の色が変わって体にベットリくっつくほどの汗が、穴という穴から噴き出してきました。その黒コショウを私に勧めたのは、インドの服を着た、これまた信州人です。

皆さんのお宅のカレー、具は何ですか? 東京出身の私は聞いたことも食べたこともなかった長野県独特のカレーの具にも迫ります。(abnアナウンサー 青池玲奈)