おぉ!信州人

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おぉ!信州人取材記

戸隠小舎物語~紅葉のふるさと・自然と暮らす家族~

20141021_02今回のおぉ信州人「戸隠物語」では、8月にフランスを取材しました。テンションマックスで渡仏。でも凱旋門をちょっと見ただけで深夜に乗り込んだのは、何と寝台車。厳しいやあ。で、12時間後の早朝眠い目を擦りながら駅舎から出るとなんとそこは『シャモニ』。第一回冬季五輪の開催地です。まるで、上高地に旧軽井沢のお店が一杯ある感じ。ここで、グッとくる信州人に出会えました。ボンジュール!

20141021_01そもそもフランスと信州戸隠の関係とは?いまでこそ戸隠は蕎麦やパワースポットなどで全国区の人気。でも50年以上前は電気も水道もない、あるのは豊かな自然だけ。この未開の地に山小屋を建てようと孤軍奮闘した故佐々木徳雄さん家族が物語の主人公。長男の常念さんは、父の遺志を継ぎ戸隠小舎(右:写真)を守っています。妹の亜津美さんは20年以上前に単身フランスに渡り、ベビーシッターをしながら言葉を覚え、シャモニで夏は山岳ガイド、冬はスキー教師として活躍しています。彼女のファミリーにお会いしました。同じ仕事をするフランス人の夫と一粒種の小次郎君。シャモニ郊外で、自転車に乗ったり里山できのこを収穫したり、ロッククライミングをしたりと、満喫。驚いたことがあります。日本では登山と言うと、苦労しながら一歩一歩頂上に進んでいきますが、フランスではロープーウエイでたったの20分、あっという間に3800メートルに登頂。あのモンブランに手が届きそうでした。ヨーロッパの山には幾本ものロープウエイが張り巡らされており、山は仰ぎ見るものでなく、エンジョイするもの。これがヨーロッパ流。老若男女、山をカジュアルに楽しんでいる姿がありました。実に新鮮でした。

20141021_03一歳違いのお兄さんの常念さんも、その昔は厳しい修業の場・戸隠でプロスキーヤーや山岳ガイドとして活躍しています。お父さんに俺の後を継げ、とは一言も言われたことはないものの、今同じ道を歩いています。彼の夢は、「ずっと戸隠で生きていくこと」。

深いなあ。半ばフランス人として生活している亜津美さんの家には、戸隠コーナーなるものがあり、異国でもお父さんが彼女の心の中で今も生きています。

美しい戸隠の風景とダイナミックなシャモニの自然。自然の中で生きること。父から子に伝えられた、本当の幸せに迫りました。

松坂彰久アナウンサー