おぉ!信州人

おぉ!信州人

おぉ!信州人取材記

無題

今、「おぉ!信州人」のプロデューサーをしている私ですが、30年以上前、ご多分に漏れず、東京に何か面白さを求めて長野を出た組の一人であります。今回、番組に登場する人たちの中にも、何か救いを求めるかのように生まれ育った故郷を飛び出した人がいます。長野市でおやき店を営み、今や信州の食文化の伝道師とも言える小出陽子さん。小さい時、毎日のように食卓に並ぶおやきが大嫌いで、東京に向かう特急の中で「これでおやきを食べなくて済む…」と思ったそう。でも今は、故郷に戻って母親の店を継ぎ、その大嫌いだったおやきを作っています。決して挫折して戻ってきたわけではありません。建設コンサルタントとして海外にも飛び出し、高収入を得るバリバリのキャリアウーマンだった小出さん。その彼女の人生にちゃんと信州に帰るターニングポイントが用意されていました。あるきっかけでひと度、故郷・長野に目が向くと、生まれ育った土地の魅力が走馬灯のごとく脳裏を駆け巡り、小出さんは信州に吸い寄せられるように戻ってきました。その吸引力になったと思われるのが、今回番組のコンセプトワードにした「信州力」です。

20130919「信州力」とは勝手に作った造語ですが、小出さんを始め、番組に登場する3人は、この「信州力」という言葉でくくると、何だかしっくりくる人ばかり。トライ&エラーを繰り返し、アメリカンカジュアルのファッションを信州から世界へ発信する敏腕社長。信州産の小麦と結婚したと形容されるラーメン店主。信州にいるからしっかりとこだわる事ができる、信州だから自分が生きる、活かせると、信州にでんと構えて我が道を進んでいるのです。

23年前、東京でコピーライターをしていた私にもターニングポイントがありました。「長野県に新しいテレビ局ができるから履歴書を送れ」と父親からの連絡。その後、長野朝日放送が今の職場になりました。面白い。長野県を紹介する仕事が面白いです。これも「信州力」と言う魔力のなせる技なのでしょうか。(長野朝日放送制作部 塚田心悟)