おぉ!信州人

おぉ!信州人

おぉ!信州人取材記

「abn番組の舞台ウラ」ハッキヨイ御嶽海!!

column_20150427-1大相撲三月場所で初土俵を踏んだ信州人力士、御嶽海久司(本名・大道久司)。大学時代に15タイトルを制し、あの遠藤関以来の幕下十枚目格付け出しデビューを飾った角界のホープです。

というと、遠い世界のアスリートに思われるかもしれませんが、大道さんは「気は優しくて力持ち」を地で行くおちゃめな22歳。

初めて会ったのは出羽海部屋に入門した2月12日。初稽古に始まり、故郷・木曽への帰郷や三月場所の開催地・大阪での日々など、慌ただしい新弟子に密着し、笑顔や厳しい稽古、ケガに苦しむ姿などを目の当たりにしてきました。

我々に「気をつけて帰って下さい」と声を掛けてくれるなど、親しみやすく、取材を終えて会えなくなるのがさみしくなるような、そういう青年です。

それにしても、相撲部屋の取材は相当な根気が必要です。稽古は午前6時~10時半。その間、力士の集中力をそいではいけないので、取材班は景色と化さなくてはなりません。つまり、稽古が始まってから大きな機材を抱えて入り込んでいくという段取りはNG。

では我々はどこから取材を始めたらいいのか。答えは単純明快。力士よりも早く稽古場に潜入すればよいのです。あちらが5時半起床なら我々は4時半起床。真っ暗な稽古場に陣取り、カメラを構えて時を待つという作戦です。

一番乗りの力士が稽古場の明かりをつけるとすでに我々がいる。力士にしたら、「家に帰って電気をつけたら人がいた」みたいな……。ビビりますよね。

そうして通い続け、取材班も相撲の奥深さがわかってきました。相撲は知れば知るほど面白い。「心技体」の鍛錬を続ける力士たちは、とても魅力的です。そんな大相撲の世界で頂点を目指して踏み出した信州人、大道さんのことを少しでも知ってもらい、五月場所への楽しみを増やしていただけるならうれしい限りです。

ディレクター 伊藤裕基