おぉ!信州人

おぉ!信州人

おぉ!信州人取材記

「世界一幸せな国」

 「世界一幸せな国」と呼ばれるブータン。昨年11月に国王夫妻が来日し、「GNH」(国民総幸福量)という言葉とともに、一気に注目されるようになりました。そんな国で活躍する信州人ってどんな人。そう思って訪ねた現地では、美しく豊かな自然のなかで、歴史や伝統を重んじる人々が暮らしていました。
 私たちが首都ティンプーに着いたのは6月5日。それから2週間滞在しました。感じたことは、「信州とブータンは似ている」ということでした。

20120717_240x180ヒマラヤなど高い山々に囲まれた国土。パロ空港から首都への道は、まるで飯山から栄村へ向かう国道117号を走っているよう。ティンプーの風景は、どこか木曽福島に似ていて、渓谷沿いに広がる棚田の光景は姨捨のようでした。
 ジャガイモ畑で取材していた私たちのところに、物珍しそうに子どもたちが近寄ってきました。女の子がニコニコしながら、英語で話しかけてきたんです。
 「日本はお金持ちで良いわね」
 わたしは尋ねました。
 「お金持ちでアンハッピーと、貧乏でハッピーはどっちがいい?」
 女の子はちょっと考え、はにかみながら答えました。「ハッピー」
 この国の基本政策は国民の幸福を増やすこと。国民も幸せを満喫していて、山の外の世界に憧れ、出て行きたいと思っている人と出会いませんでした。
 ティンプーの病院では長野市出身の男性が放射線技師として働き、パロのろう学校では上松町出身の女性が美術教師をしています。取材した信州人たちもみんな、「ブータンの幸せ」を実感していました。
 いまブータンは、建設ラッシュを迎えています。急激に都市化が進んでいますが、数年後も数十年後も世界一幸せな国でいてほしいと願っています。
 さて、信州人の生活ぶりは……。それは番組を楽しみにしてください。