おぉ!信州人

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おぉ!信州人取材記

移動販売がやってくる!山道越えてどこまでも!

信州は山間地域が多い。かつて繁盛した小売店は、大型店の増加などに伴い、姿を消しつつある。同時にそれは買い物難民が増えることになる。車の運転もままならないお年寄り達は、どうすれば良いのか。今回、いくつかの移動販売を追った。

column_20150907_1高山村で半世紀近く営業する移動スーパーは、近くに住む高齢者達の強い味方になっている。移動販売を手掛けるのは、地元藤沢魚店の主人、藤沢正(71)さん。魚屋を経営しながら、週三日、移動販売に出ている。そのルーツは、亡き母の行商にあった。戦中から戦後間もない頃、昼は山菜を採り、夜間に一人、山菜やニシンなどを一輪車で売り歩いた。相手の気持ちになって商売をするという、母の教えは、藤沢さんの移動販売の形に現れている。街に買い物に出られない「買い物女子」のおばあちゃん達に楽しく買い物をしてもらえるよう、常に明るい話題で接している。移動スーパーの後継者は、一緒に切り盛りする長男の予定だが、お客の減少や老朽化の進む車両の買い替えなど、心配事も多い。待っているお年寄り達のもとへ向かう、彼らの心意気とは何かを探った。

column_20150907_2また、移動ラーメン屋とんちんかんは、東信地区を中心に展開する創業三十年の老舗。創業者の松井幸雄さん(65)が設計した移動販売車は、当時の業界に大きな影響を与えた。一時は、31台の販売車で県内の広い範囲を回っていたが、リーマンショックの影響でその数は2台に減った。目下、次なる飛躍に向かい奮闘中だ。

さらに、諏訪市のサンタローザは、車内の薪窯で本格ピッツアを焼いて売る。主人の滝澤宗徳さん(42)が苦労した、涙なくしては語れない開業資金の調達秘話に迫った。

長野朝日放送制作部 星野賢二