おぉ!信州人

おぉ!信州人

おぉ!信州人取材記

恐竜園にかけた夢 動物園によせる愛 ~長野市茶臼山に遊びにおいで!~

長野市篠ノ井の茶臼山には、動物園と植物園、そしてなぜか実物大の恐竜が並んだ公園があります。

今回の「おぉ!信州人」は、その動物園と恐竜園にまつわる人物を取り上げる2本立てです。

column_20150803aそもそも長野市には、善光寺の裏手の城山公園エリアに城山動物園があります。夏のこの時期、市民プールで遊んでいると、隣の動物園からいつも元気にアシカの鳴き声がしていました。入園は無料なので、よくプールの帰りにペンギンやサルを見に行ったものです。でも、ゾウやキリンなどの遠いアフリカの動物は、長野県では見る事ができないんだろうと、幼心にあきらめていました。茶臼山に動物園ができたのは、私が東京の大学を卒業する年でした。その時、開園スタッフとして就職し、以来ずっと動物に人生の時間を費やして来たのが、主人公の1人、須田哲(さとし)さん、61歳。園長まで努めた須田さんは、去年の春、60歳で定年退職をしましたが、すぐに新人の飼育員として現場復帰を果たしました。そんなトピックスを知り、一年前から須田さんの撮影を少しずつ進めていました。そして今年、久しぶりにお会いした時に、ちょっとビックリ。10キロも体重が落ちてスリムになっていました。茶臼山の中腹にある動物園です。階段や坂が多い園内を歩き回って、健康的にサイズダウンしたんでしょう。定年後も動物の世話をしたいと、若い時と同じ思いを持ち続けて、生き生きと働いています。その姿になんだか動物たちへの家族愛のようなものを感じてしまいました。

column_20150803bそして、茶臼山にいる恐竜の謎にも迫ります。なぜ恐竜なのか?特にそこから化石が出てきたと言ったような理由ではありません。茶臼山は昔から地すべりに悩まされてきた場所です。幕末の善光寺地震に端を発すると言われ、昭和の初めには1年で100m近く地盤が動いたとの記録があります。県は地すべりの原因となる水を抜くなど対策工事を進め、1970年代には小康状態になりました。そこで長野市は茶臼山を市民憩いの場とする開発に着手します。もう1人の主人公はその大役を任された元長野市職員の小島武彦さん。全長2キロもある細長い地すべり地帯の開発には、特有の難題が多くありました。例えば、植物園を作りたくても、植物に水を撒いてはいけないと言った具合。

今回、小島さんに植物園と恐竜園を案内してもらい、当時の苦労話を聞きました。そして、東京から役者さんを招いて、再現ドラマ風の撮影も行いました。次々に起こる問題に打ちひしがれ、そして打ち破っていく様子を表現しました。長野市の茶臼山になぜ恐竜がいるのか?ぜひ、番組をご覧ください。

プロデューサー 塚田心悟