おぉ!信州人

おぉ!信州人

おぉ!信州人取材記

おもしろ偉人伝 あっぱれ真田三代記

column_20150601番組がスタートして6年目になる「おぉ!信州人」ですが、今回初めて歴史上の人物を取り上げる事に挑戦しました。2015年は真田幸村の没後400年にあたるため、今年を逃すと次のチャンスはないと覚悟を決めて。でも、400年以上前の話を54分の番組にするのは、正直、戸惑いました。確かな事実よりも、通説になっている話が多い事。そして、当時の場面を再現するために費用がかかる事です。担当の越ディレクターは、何冊も文献資料を読み、真田一族ゆかりの地に赴いてたくさんの人から話を聞きました。鎧かぶとを借り、県内の牧場で戦場に向かう騎馬シーンなども撮影しました。さらに、わかりやすく、面白く信州の偉人を伝えるために、今回、武将大好き芸人の松村邦洋さんを起用しました。松村さんは「武将のボヤキ」と言う本を出版するほどの歴史好き。得意のモノマネで、徳川家康や織田信長、今川義元などの戦国武将を演じてくれました。群雄割拠の戦乱の世、信濃の小さな真田家はどのようにして名を馳せ、生きのびていったのか?知将と言われる真田三代、幸隆、昌幸、そして信之と幸村兄弟。なにせ上田城に攻め入る徳川軍を二度にわたって打ち破り、家康から最も恐れられた武将たちです。したたかでありながらも信念を貫く真田の世渡り術と巧妙な戦法をひも解いていきます。

私個人の話になりますが、そもそも真田一族を取り上げたいと思ったきっかけは、4年前にさかのぼります。東日本大震災から4カ月くらい経った頃、「ザ・駅前テレビ」の東北応援企画で宮城県仙台市の青葉城公園に撮影に行きました。その時、伊達正宗の銅像の前で現地のガイドに声をかけられました。「長野県から来たの?ここに仙台真田家があるのを知っていますか?」と。お恥ずかしい事に、私はその事実を知りませんでした。後で調べてみると、大坂夏の陣から逃れてきた幸村の子どもたちが、伊達家の家臣にかくまわれて、真田の家系が今も続いているとの事。幸村から14代目の現代人です。さらに今生の別れとなった兄・信之の子孫もいます。今回、400年の時を超え、真田の血を引く二人と出会う事ができました。真田三代の人物像には諸説ありますが、子孫のお二人から聞く話はとても興味深く、やはり信州の誇り高き偉人たちなのだと改めて感じた次第です。

制作部 塚田心悟