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もち米高騰で正月の食卓に異変 支援の寄贈も激減

コメの平均価格の高止まりが続いている中、その影響は他のものにも…正月に欠かせない餅の原料となる「もち米」に、価格高騰の波が押し寄せています。

■「長野県産もち米使用生切り餅200キロ贈呈いたします」

会議室に並べられていたのは…切り餅。JA長野県グループから生活に困っている家庭の支援などをする2つの団体に贈られました。

■フードバンク信州 美谷島越子副理事長
「やっぱり時季物なので、こちらが送っている方たちが一番励まされるかなと思います」
2つの団体にはそれぞれ200キロが贈られ、フードバンクや子ども食堂などで活用されます。
そんな団体にある変化が…

■NPOホットライン信州 町田千恵子さん
「もち米もこれまでは年末になると何十キロ単位でいただくこともあったが、今年は今の所いただいていないような状況です」

なぜ、もち米の寄贈が少ないのか、長野市のスーパーを訪ねてみると…

■台東食品アークス本店 掛川健彦店長
「うちで扱うもち米は2キロなんですけども、こういった2キロのもち米と先ほどの2キロのお米ですと、もち米の方が高くなってます。(Q.例年とは違いますか?)全く違いますね。もち米に関しては倍近くの値上げになってますかね」

店に並べられたもち米を見てみると2キロ税抜きで2100円。去年の同じ時期には、1250円で販売していたと言います。

■台東食品アークス本店 掛川健彦店長
「例年、うちのお店では12月のチラシ特売で、もち米の5キロは使っていたんですけども、今年はちょっとメーカーさんの方から、もち米の特売はちょっと遠慮いただきたいっていうお話いただきました」

卸売り会社も取材しました。

■ベイクックコーポレーション 塩沢均社長
「主食じゃないお米っていうのはちょっと足りないんですね。例えばもち米だとか、そういう用途に限定をしたお米に関しては、かなり去年よりも量が少なくなってます」

もち米が足りない理由は、主食用のうるち米にあります。

■ベイクックコーポレーション 塩沢均社長
「一昨年から去年にかけての主食用の不足ということになり、そこで主食用が高騰したが故に、今まで他の飼料だとか加工用だとか作ってらっしゃった方が、今年はドーンと主食にまた戻ってしまった」

その影響が、餅の価格にも表れています。

■50代客
「スーパーとかで例年に比べて割高かなっていう感じはします」

■70代客
「日増しに高くなっていると思う。お餅も3週間くらい前と、昨日伺った時と20~30円上がっていた気がします」

■70代客
「やっぱりお正月にはお餅が付きもの。縁起物というか、昔から日本の伝統の食事なのでそれは欠かせないんじゃないでしょ」

年末年始の光景すら変えてしまうかもしれない物価高騰。消費者の悩みは…尽きません。