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軽井沢町のバス事故 遺族が高校生に向け講演

事故を風化させない。遺族が高校生を前に「事故の悲惨さ」や「命の大切さ」を伝えました。軽井沢町で2016年、大学生など15人が死亡したスキーバス転落事故の遺族が地元の高校で講演を行いました。

■大谷慶彦さん
「私の記憶に残っているのは陸人の大きな体が小さな棺の中にまるで眠っているかのように静かに横たわっていることこれしか記憶にありません」

こう話したのは軽井沢で2016年に起きたスキーバス転落事故の遺族の1人です。講演会は、軽井沢高校で初めて開かれ、生徒のほか一般の人も参加しました。事故は、2016年1月15日軽井沢町の国道で、都内から県内に向かっていたスキーツアーの大型バスが時速およそ95キロでガードレールを突き破り、道路脇に転落。大学生と乗員合わせて15人が死亡しました。

■事故で息子を亡くした女性
「19歳で事故に遭ってこの世を去ってしまいましたいまでも息子の命を奪ったバス会社が許せない」

大谷慶彦さんは、この事故で大学1年生だった息子の陸人(りくと)さんを亡くしました。

■大谷慶彦さん
「陸人との思い出は19年で止まりこれから新しい思い出は作ることができない」
「10年近く経った今でも思いは1つで陸人に会いたい、この1つです」

高校生たちは事故当時まだ小学校低学年。事故の記憶を風化させず語り継いでほしい。こうした思いも、この講演会には込められてます。

■田原義則さん
「亡くなった子どもたちと年齢の近い高校生が少しでも(事故の)中身を理解して語り継いでほしい」

講演を聞いた高校生は…

■講演を聞いた高校生
「当時どれだけ痛い思いをしたのか伝わってきた」

■講演を聞いた高校生
「今までの思い出もこれからも全部止まっちゃってすごく悲しい改めて命の大切さを知れた」

事故から2026年1月で10年。事故の記憶をつなげ命の大切さや、家族への思いを考える場になりました。