県内ニュース

ふるさと納税制度対象から除外で農家からは悲痛な声

当事者である農家からは、悲痛な声が挙がっています。
ふるさと納税返礼品の産地偽装が発覚した須坂市について、総務省は、ふるさと納税制度の対象から除外すると発表しました。

■村上誠一郎総務大臣
「ふるさと納税制度に対する信頼を損ないかねないものであり由々しき事態であると考え厳正なる対応を行った」

村上総務大臣は13日朝、17日から須坂市と岡山県吉備中央町をふるさと納税制度の対象から除外すると明らかにしました。
制度開始以来、全国的にみても数例しかない厳しい措置です。

■須坂市民(70代)
「除外になっちゃったんだ。(寄付が無くなり)公共事業とか大変だ」

■須坂市民(80代)
「(市は)分かった時点で手を打てば少しは良かったのかと」

須坂市のふるさと納税を巡っては、返礼品を扱う業者が山形県産などのシャインマスカットを須坂市産と偽り、市は事実を確認した後も寄付を受け付けていました。
総務省が違反と認定したのは、おととし10月から今年3月までで約22トン、寄付金額は総額30億円にのぼります。

■後藤農園・後藤文夫さん
「やっぱり手間がかかっているので、多少値段は高くなるがふるさと納税(返礼品)ということでお客さんにも喜んでもらえて」

「除外」という結果に当事者である須坂市の農家は…。
こちらのブドウ農家は、全体の出荷のうち、およそ1割が「ふるさと納税返礼品」での出荷でした。

■後藤農園・後藤文夫さん
「不利益になってしまうということで須坂市に対して不満を感じてしまうところがある。今まで応援してくれた人が須坂市から離れていってしまうというのは残念」

影響は、ブドウなどの果物だけに留まりません。

ブドウに加え、卵もふるさと納税の返礼品として出荷していた農家では…。

■田中果樹園・田中久子さん
「ニワトリに『卵産まないで』と言っているようなもの。200個300個と卵がたまっていって、近所の人に配ったり、子ども食堂に寄付したりとか…」

秋の収穫までまだ時間のある果物と違い、今すぐにでも販路を見つけなければならない状況ですが…。

■田中果樹園・田中久子さん
「売れないとどうしようもない、餌代ばかりかかって。一生懸命ニワトリは卵を生むのに売り先がなくて」

ふるさと納税制度の対象からの除外を受け、三木市長は13日午後、緊急の記者会見を開きました。

■須坂市・三木正夫市長
「関係の皆さんにお詫びを申します。」

ふるさと納税制度の対象から除外されたことで、須坂市は2年間、制度に基づく寄付を受けることができなくなります。

■須坂市・三木正夫市長
「様々な形でふるさと納税以外の販売ルートは紹介しているし、これからも紹介していきたい。ふるさと納税の指定取り消しになる可能性は非常に強いと思っていた。ただ私とすれば市民や返礼品事業者マスコミ議会にも誠心誠意情報公開をしてきた」

須坂市では現在、市議会が開会中で、総務省の除外決定を受け、議会での厳しい追及も予想されます。