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カワウの食害からアユを守る「最後の切り札」登場

今シーズンのアユ釣りが解禁されるのを前に、上田市を流れる千曲川で初めて「ある物」が設置されました。漁業関係者は、カワウの食害から守る「最後の切り札」として期待しています。

■「いきま~す!」

体長およそ10センチのアユの稚魚。
上田市の千曲川では、上小漁業組合の組合員などが琵琶湖産のアユ340キロを放流しました。
アユが放流された川には、ピンク色のテープのようなものが…「カワウ忌避(きひ)バンド」といい、カワウを寄せ付けない効果があるそうです。

カワウは、体長およそ80センチの大型の水鳥。川や湖などに飛来して魚を食べるため、全国的に漁業被害が問題となっています。
千曲川でも、カワウの増殖に伴って川魚が減少していると言います。

■上小漁業組合・西沢徳雄さん
「(放流したアユの)100匹中60匹はカワウに食べられちゃう。育つ育たない以前に」
地元・上田市の企業が製造・販売する「カワウ忌避バンド」は、カワウが触れると「違和感」を感じ川に寄せ付けない効果があるそうです。

設置作業には長野大学の学生も参加。
カワウが嫌がる匂いがするそうですが、人間が嗅いでみると…

■参加した学生
「スパイスカレーの匂い。」「ジャスミンティーみたいな」

「忌避(きひ)バンド」はアユ釣り解禁までの間設置するということです。

■上小漁業組合・西沢徳雄さん
「(忌避バンドは)最後の切り札。これでアユがちゃんと育ってくれれば、今年は豊漁間違いなしです」

さらに、学生たちは千曲川で江戸時代から続く「つけば漁」を体験。
その後、ウグイを塩焼きや唐揚げにして堪能しました。

■学生
「うま~い」「美味しいです」

「忌避バンド」の効果はいかに。上小漁業組合管内では、6月21日にアユ釣りが解禁されます。