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一夜明けどこへ…3人襲ったクマ 発見に至らず

飯山市の住宅街で男女3人を襲ったクマは、居座ったとみられていた空き家でも確認されませんでした。クマはどこへ消えたのか?取材を進める中で苦心しながら捜索に当たる関係者の姿が浮かび上がってきました。

9日午後4時すぎ、飯山市常盤の住宅街で、60代から90代の男女合わせて3人がクマに襲われ、男性2人が重傷、女性1人が軽傷を負いました。

一夜明けて、10日午前6時前。

■記者リポート
「3人の猟銃を持った人たちが間隔をあけて、何か準備・ポジションについたような様子が視認できる」

目撃情報から、クマは現場近くの空き家に居座っていたとみられていました。午前6時から県の対策員が空き家に入って確認。しかしクマは中には、いませんでした。

■京都ドローン協会・中田順一代表理事
「シカやイノシシ(撮影・捜索)はあるがクマは初めて」

人を襲ったクマに対し、ドローンも駆使した慎重な確認・捜索が進められていました。

■京都ドローン協会・中田順一代表理事
「動いていたらサーモグラフィー(温度変化)で見つかる(ドローン)」

こうした現場の調査から「クマが空き家に居座っていなかった可能性」も出てきました。

■県クマ対策員・後藤光章さん
「痕跡の感じでは夜中のうちに(空き家周辺)を通り抜けてしまっていた。空き家の中に入ったり立ち寄ったりした様子は無いような、今調べた感じでは」

現場での取材や市によりますと、午前8時に道の駅「花の駅・千曲川」の北東800m付近で足跡が確認出来ましたが、それ以降の行方は分からない状況です。

■記者リポート
「こちら道の駅ですが、クマ出没につき本日臨時休業と張り紙が出されています」

クマ出没を受けて市教育委員会は、周辺7つの小中学校などを臨時で休みとしました。
また県は、被害を受けて「ツキノワグマ出没注意報」を北信地域に出し、山菜採りなどで山に入る際は注意するよう呼び掛けています。