明けましておめでとうございます。恙(つつが)なくお過ごしでしょうか。新型コロナに振り回された、この一年でした。心底新年を喜べないのは、やはり先行きが見通せないからでしょう。「ぼんやりとした不安」とでも言いましょうか。
そんな折り、わが家に難問、「心配事」が持ち上がりました。
父親の時代からお付き合いのあった地主さんが急死、ために相続税対策なのでしょう、遠方に住む、相続人の娘夫婦がわが家を含む近隣の不動産(土地)を全て売却してしまったのです。
ある日突然、見知らぬ不動産会社の社員が通帳を盛って訪ねて来、「よろしく。今後は地代を毎月徴収しに参ります。地代は3割、5割アップする可能性があります」と言い残していったのです。
脅しでしょうから一笑に付しましたが、さてどう対応したものか。
数十年の借地権を拠り所に知り合いの地元不動産屋、司法書士、弁護士らと相談、当然対抗することにしました。いずれ不動産会社は、地主から買い叩いて手に入れた土地を売り付けてくるのでしょう。近所には、年金で細々と暮らす老夫婦も多くいます。平穏を乱すようなことがあれば、見過ごすことはできません。
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そんな時、米国の実業家・アール・ナイチンゲールの言葉を思い出しました。
「心配事の92%は実際には起こらない。いわく、
実際に起こり得ない事への心配 40%
過去にすでに起こったこと 30%
不必要な健康に関する不安 12%
細々とした不必要な心配事 10%」
これを全部足すと92%。つまり残り8%が実際に起こりうること、とナイチンゲールは言います。つまり「9割以上が無駄な心配」ということになります。
もし、残り「8%がおきてしまったら」
- 自分に起きることは、いかなることも自分にプラスになることである。
- 自分に起きることは、いかなることでも自分で解決できることである。(自分に解決できないことは、自分には起きない)
- 自分に起きた問題の解決策は、思いがけない方角からやってくる。だから、今お手上げ状態でも決してめげてはいけない。
(佐藤富雄「自分を変える魔法の『口ぐせ』―夢がかなう言葉の法則」)
というわけでわが家は、「92%」説で今年を乗り切ります。皆さまのご多幸を祈ります。
(日刊スポーツ I / 2021年1月)
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