新聞に乗らない内緒話

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コラム

笑い飛ばす、4月

 4月1日は、エイプリルフール。
 以下のストーリーは「フェイク」、そして「ジョーク(冗談)」なのだが、内容がいかにもと皆が受け止めたのか、後世に語り継がれている。
 2000年7月―。森喜朗首相はビル・クリントン大統領(ともに当時)と首脳会談を行った。会談に先立ち日本関係者が首相に入れ知恵をした。
 「会ったらまず ”How are you?” と言って握手をしてください。クリントン大統領は ”I’m fine, and you ?” と答えますから、”Me too.” と続けて下さい。あとはすべて通訳が対応いたします」。
 ところが森首相、こともあろうに ”Who are you?”(あなた、誰?) とやってしまった。ジョークとでも判断したか、そこは大統領、”Oh, I’m Hillary’s husband.”(ヒラリーの夫です) と切り返したが、首相は筋書き通り、”Me too.”(わたしも)―。

 前述のクリントン大統領には笑えないジョークがある。
 在任中、モニカ・ルインスキー嬢をホワイトハウスの大統領執務室に連れ込み、白昼、コトに及んだことが暴露された。議会に弾劾されたからご記憶だろう。もちろん、このいきさつはフェイクではない。そこで「アメリカの処女」を巡って、こんなジョークが口の端に上った。
 質問「処女の定義は、何か?」
 答え「クリントン大統領よりも、速く走れる娘」

 ついでにヒラリー夫人の、国務長官時代にまつわるジョークをひとつ。北京を訪問、胡錦濤国家主席(当時)と会談した際、こう質問した。
 「いったい北朝鮮は中国にとって、今でも、兄弟国なのでしょうか? あるいは、友人の関係なのでしょうか」
 すると胡主席、苦い表情を浮かべて、
 「もちろん兄弟国だ。友は選ぶことが出来るが、兄弟は選ぶことができない」 
 (参考・加瀬英明著「人生最強の武器 笑い(ジョーク)の力 ユダヤ人の英知に学ぶ」祥伝社新書)

 クスッとでも、笑ってもらえただろうか。4月、門出の季節。試練もあろう。そんな時は「笑いなさい。世界が一緒に笑うだろう。泣きなさい。あなたは一人で泣くだろう」。
 春風や闘志抱きて丘に立つ(高浜虚子)。健闘、祈る。

(日刊スポーツ I / 2020年4月)

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