障がいがあっても共に暮らし、働ける社会の実現に向けた県内での活動を取り上げ、誰もが自分らしく生きる共生社会づくりに向けたヒントを探ります。【手話通訳有り】
県内で唯一の障がい者野球チームの信濃レッドスターズ。2000年に佐久市で結成され、現在では身体障がいや知的障がいのあるメンバーが県内各地から集まり、過去には全国大会でベスト4となったことも。創部当初から20年以上監督を務めている重田さんは、自らも野球を楽しむ一人として、または応援団としてメンバーと共に野球を続けてきています。ひたむきに野球に取り組む信濃レッドスターズの下には、地域の人々が自然と集まり、資金の支援や練習時のボランティアサポートなど、それぞれができることを通じて活動を支えています。取材当日は静岡のチームと交流試合を行いました。障がい者野球を通じて、障がいのあるなしに関わらず、県内外の様々な人々との交流が生まれています。
金属加工メーカーの木曽精機では、社員87人のうち13人が障がいのある社員。障がいのあるなしに関わらず、会社の戦力となりうる「人財」を雇用することは、人口減と少子化の渦中にある企業の持続的な経営において欠かせないと、下澤社長は語ります。製造の現場では軽度知的障がいのある社員と、精神障がいのある社員が働いています。2人は共に正社員。正確かつ、実直に業務に取り組む二人は、他の社員から厚い信頼を得ています。障がいあっても個々の能力を活かすことで会社の戦力になり、そして一人ひとりが輝く。障がいのある人とない人が共に力を合わせて働く現場を紹介します。
県では障がい者の雇用機会の拡大を目指して、障がい者チャレンジ雇用事業を行っています。精神・知的障がいのある人を中心に、民間事業者等への就職を目指す人をチャレンジ雇用職員として雇用し、県での就労経験を通じてステップアップすることを目的としています。この事業ではチャレンジ雇用職員を日常的に支援する「キーパーソン」と、キーパーソンへの障がいの理解促進とチャレンジ雇用職員の支援を担う「障がい者活躍サポーター」が配置されています。障がいを正しく理解することで、キーパーソンとチャレンジ雇用職員双方に変化が生まれています。障がい者と共に働く職場づくりと支援の現場を取材しました。
伊那市に本社のある製品設計会社スワニーは、同市内の社会福祉協議会と連携したものづくりに取り組んでいます。これまでにキャップの分類から製品の組立・梱包など、様々な作業を依頼しているというスワニー。障がいのある利用者の個性にあわせた作業を支援する社会福祉協議会のスタッフ。この連携について橋爪社長は「社会貢献しているつもりはない、戦力としてお願いしている。」と断言します。障がいのある人も含めた地域の連携によるものづくりの現場を取材しました。
諏訪地域を拠点に活動しているユニバーサル・サポートすわ。高齢であったり、障がいがあっても観光を楽しめるユニバーサルツーリズムの実現に取り組んでいます。これまでに障がいのある人の入浴介助のほか、諏訪大社下社秋宮における車いすでの結婚式や、ホテル「紅や」のリニューアルなどをサポートしています。「皆さんの笑顔がご褒美」という代表の牛山さん。誰もが人生を楽しめるように助け合う、そこで生まれる喜びが周りに幸せの輪を広げていく、そんな想いを込めた取り組みを紹介します。
NPO法人翔和学園が運営する長野翔和学園(長野市)。ここには発達障がいなどによりコミュニケーションを苦手とする生徒たちが通っています。学園が大事にしているのは、お互いを理解すること。さらに自分の意志でやり抜く力をつけて『生きていく気力』を学びます。対話の経験を積み重ねながら、共に遊び、学び、喜びを分かち合う機会を通じて、社会で生きていく自信を育む取り組みを紹介します。