おぉ!信州人

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おぉ!信州人取材記

みんな大好き家族食堂3 善光寺門前 御開帳だよ!おふくろさん

column_20150504家族で営む食堂の魅力に迫る企画の三回目。舞台となるのは、御開帳で賑わう善光寺の門前町にある司食堂です。この辺りは、賑やかな参道とは違う、昔ながらの町並みが残る場所でもあります。司食堂は、観光客よりも、市内在住の常連客が多く通っています。確かに、蕎麦を中心にした店が並ぶ門前町ですが、この食堂には定食とラーメンしかありません。大々的に賄う店ではなく、こじんまりとした佇まいに、思わず目を細めてしまいます。

創業以来、店の味を守る女将さんと、最近同居することになった息子さんのお嫁さんは、近所の肉屋さんと八百屋さんから食材を仕入れています。仕入れ先のお店の方々も司食堂の常連さんです。「持ちつ持たれつ」という言葉は門前町に生きる人々の為にあるような気がします。

ここの住人同士の繋がりは強いと感じるのです。司食堂では、月一回、近所に暮らす年配の方々が集い、近況報告や相談事を聞いてもらうなど、暮らしに役立つ宴を開いています。近隣の付き合いが希薄になりつつある昨今ですが、門前町では人のぬくもりが消えていません。ただ、住人の方が言っていた、気がかりなことがあります。それは、シャッターを降ろしてしまった店や人の住まなくなった家が増えているということです。若者が都会へ働きに出てしまい、徐々に子供の笑い声も遠ざかってしまうかもしれません。

その一方で、門前町の魅力に惹かれて店を始めたケーキ屋さんや、和菓子屋さんもあります。

今回は、司食堂の魅力と、このお店と繋がる、善光寺門前「人情物語」、御開帳です。

ディレクター 星野賢二