abn 信州がんプロジェクト ~知ろう、考えよう、がんのこと~

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Q&A 教えて!がんのこと

がんの在宅療養で、介護保険サービスを受けることはできますか?

長野中央病院 医療ソーシャルワーカー 長谷川千明さん

2017.09.01 掲載

出来ます

介護保険は65歳以上の高齢者だけでなく、40歳以上で医療保険に加入しており、がんの症状が進行した、いわゆる末期状態の患者さんでも申請が可能です。

早めの申請が大切

市区町村で申請をすると、病院あるいは自宅に調査員が来て、患者さんの心身の状態などを聞き取り、医師の意見書をもとに、要介護度が決定します。通常は、申請から認定が出るまでに約1ヶ月かかります。しかし、がんの患者さんは急に症状が進むことがあるため、1ヶ月も待つことが出来ないケースも少なくありません。従って自治体の方でも、末期がんの患者さんの申請を優先するような動きを取っています。早めに申請すれば、それだけ早い段階で要介護認定を受けることができ、サービスの利用がスムーズになります。

介護保険のサービス

ヘルパーが自宅を訪問し、身体介護・家事支援などを行う「訪問介護」、看護師が、療養上の世話または必要な診療の補助を行う「訪問看護」、利用者がデイサービスセンターなどを訪れて食事・入浴介助などの介護サービスを受ける「通所介護」その他、福祉用具の購入、レンタルなどもできます。

サービスを利用するには

ケアマネジャーによる、ケアプランの作成が必要となります。ケアマネジャーは、地域包括支援センターまたは、居宅介護支援事業所に所属していて、介護に対する不安や悩みに関して相談に乗りながら、サービスの説明、契約等を行う専門職です。どのようなサービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画をケアプランと呼びます。安心・安全な生活を送るためにも、疑問点は解消し、要望をしっかり伝えましょう。なお、ケアマネジャーは、市役所や、病院の医療ソーシャルワーカーから紹介を受けることも出来ます。

分からない事があれば早めに相談しましょう

抱え込まないことが大切です。介護保険サービスを適切に使うためにも、近くの相談窓口を積極的に活用しましょう。入院中であれば、医療ソーシャルワーカー、地域では、市役所や、地域包括支援センターなどで相談に乗ってくれます。