はっぴょうかいの日

はっぴょうかいの日の朝、とても気持ちのいい　すんだ空気が、りんご丸たちの目を覚ましました。

今日は　なんだか　いい天気になりそうです。

りんご丸は　元気よく　いえをしゅっぱつすると、のっぽ杉のひみつきちを　めざしました。

はやしをぬけると、町のまんなかにつづく　少し　広いみちに出ました。
すると、ブルルルル…と　向こうから　バスがやってくるおとが　きこえてきました。

バスは　どんどん　近くなってきて、りんご丸のヨコを、モクモクと　くろいケムリを上げながら とおりすぎて行きました。

おもわず目を閉じて、バスがとおりすぎて行くのを　じっとまちました。

りんご丸が　そっと目をあけるころには、くろい　けむりはどこかに　消えていましたが、まだ少し　ケムたい空気が　のこっていました。
「クルマがガソリンじゃなくて、デンキで　はしるようになったら、あんまり空気が汚れなくて、ちょっとはエコなのかな?」

りんご丸は、とおくに　はしって行く バスを見ながら思いました。

バスがとおる　広いみちを　よこぎると、そのさきには　杉ばやしがありました。

はやしのおくの、どの木よりも　ひときわせの高い　杉の木をめざしてみちをすすみます。

しばらくあるくと、杉の木のしたに　とうちゃくしました。
ひみつきちには、まだだれも　きていないようでしたが、うしろから　おちばを　ふむ　おとが　きこえてきました。

次回をお楽しみに。

絵・作 たのうえ きみのり(ハッピープロジェクト)
アシスタント わたなべあきな(ハッピープロジェクト)