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放送内容

第29回 がん放射線治療と新型コロナ|新型コロナ一口メモ

Q
乳がん手術後に放射線治療を受けました。新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しないか心配です。
A
日本放射線腫瘍学会は「早期乳がん手術後に行われる放射線治療は、体への侵襲が少なく、免疫機能の低下はほとんどありません」と声明を出しました。現在のところ、乳がん手術後の放射線治療が、新型コロナウイルス感染症の重症化を招くという科学的根拠はありません。放射線治療によって肺組織に傷がついた場合に「放射線肺臓炎」という肺炎を起こすケースがまれにあり、これが新型コロナウイルスの感染によって悪化する可能性は否定できませんが、適切に放射線治療が行われれば、放射線肺臓炎の危険性も極めて低く抑えられます。
Q
がんのため放射線治療中です。新型コロナウイルスの感染が心配なので、治療を途中でやめたいのですが…。
A
放射線治療は、開始したら最後まで継続して治療する必要があります。途中で休んでしまうと、効果が下がり、がんを抑え込むことが難しくなります。放射線治療の途中で新型コロナウイルスに感染してしまうと、多くの場合、放射線治療を中断・中止せざるを得ない状況になると考えられます。予定された治療が最後まできちんとできるように、十分な感染対策をすることが重要です。
 また、放射線の治療計画は各施設の装置に特化して作成されるため、治療途中で別の病院での放射線治療に切り替えることは難しく、基本的には推奨されません。
 放射線治療がまだ開始されておらずこれから治療にはいる場合には、新型コロナウイルス感染による治療中断の危険性を減らすために、短期間で終わるように放射線の量と回数を調整出来るケースもあります。また良性疾患や一部のがんでは、放射線治療の開始自体を先送りできるケースもあるので、治療開始前に主治医とよく話し合うことが重要です。

(情報提供:佐久医療センター放射線治療科 大久保悠部長)