abn 長野朝日放送

全国に美林は数々ありますが、日本三大美林に選ばれ、さらに「日本の森林浴発祥の地・森林セラピー基地」といえば木曽郡上松町の「赤沢自然休養林」しかありません。貴重な天然ヒノキの美林と森の小さな鉄道・赤沢森林鉄道が走る赤沢自然休養林を、吉田一平アナウンサーがリポートします。

赤沢自然休養林は上松町中心部から山間部に向かって車で30分間程の距離にあります。この道はヒノキを山から運搬した森林鉄道の線路跡です。かつて木曽は森林鉄道王国でした。最盛期には東京・新大阪間と同じ距離の線路が木曽の山々を走り回っていました。1975年に森林鉄道は廃止されましたが、関係者の働きかけで一部が観光用に復活しました。今では森林浴を楽しめる赤沢森林鉄道として人気です。
機関車の修理を担当する藤原孝秀さん（80）は15歳から旧森林鉄道に従事。「森林鉄道が青春だった」と嬉しそう。赤沢森林鉄道には100年前から活躍していたボールドウィン蒸気機関車や森林鉄道の貴重な資料がいっぱい。童心に返った吉田アナは特別にモーターカーを運転し大喜びします。

赤沢森林鉄道に乗って1.1kmさらに山奥に到着。空気が爽やかな自然休養林を散策。森の案内は地元の専門ガイドの下原洋子さん(75）。下原さんは「木曽ヒノキの純林は世界で唯一ここだけ」と誇らしそう。ひときわ大きなヒノキは「ヒノキ大樹」。樹齢は約350年。高さ約35m。吉田アナが幹を抱いても腕が回らない巨木。さらに驚くのは木曽ヒノキが高価なこと。なんと「1本数千万」が相場。あまりの高額に吉田アナも衝撃。ヒノキはスゴイ！
貴重で高価なヒノキを活かすも殺すも原木を切る製材技師の腕にかかっています。上松町の老舗製材所・池田木材を訪ねた吉田アナは運良く、樹齢300年近い原木の製材に立ち会いました。ヒノキを知り尽くした職人の見事な技。板になったヒノキ材からは爽やかな香りが立ち上ります。吉田アナは思わず「製材所の中でも森林浴できる」と感激。都会育ちの吉田アナが初めて訪れた木曽の森。そのスゴヂカラを実感しました。