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新蕎麦の季節、フジイ、平沢の2人は、いきつけの蕎麦屋「なかの」で新蕎麦を楽しんでいた。蕎麦というのは、なんとなく粋でダンディなイメージがあると平沢は言う。中でも蕎麦を打つ職人に男の渋さを感じるという。そういえばフジイは常々「渋さ」が足りないといわれている。そこでフジイは一念発起、いい男になるために蕎麦打ちの勉強をしたいと、「奈加乃」のご主人に弟子入りを志願するが、蕎麦打ちはそんな簡単なものでは無いとたしなめられた。
主人曰く、「蕎麦とは何ぞや?」の問答に答えられたら弟子にしても良いとの事。フジイはその答えを探すための旅に出た。信州から遠く600キロほど離れた兵庫県豊岡市や、700キロ離れた島根県松江市などを巡る旅の中で、信州蕎麦の意外な広がりを発見する。そして、その土地土地で大切にされる蕎麦を味わうことで見つけた「蕎麦とは何ぞや」との問いに対する答えとは?総移動距離1500キロ、ただ渋い男になるためだけの行き当たりばったり旅は、歴史や食文化を再考する時空を超えた旅へと変貌してゆく・・・・
【フジイが出会うそば(1)】
兵庫県豊岡市の郷土料理の「出石そば」、焼き物の小皿に盛られたそば。江戸時代に上田藩から出石藩に国替えとなった殿様、仙石政明が上田のそば職人を連れてきたことに始まるといわれている。
【フジイが出会うそば(2)】
島根県の「出雲そば」。西日本を代表するそばで、重箱のような三段の丸い漆器にそばを盛って出す割子そばとも呼ばれている。信州そばは、蕎麦をたれに付けて食べるが、出雲そばは、たれをそばの器に入れて食べる。また、信州そばは、さらしな粉で打たれた白い蕎麦だが、出雲そばは蕎麦の実を皮ごと挽くため色が黒く香りも強い。そのルーツは諸説あるのだが、松本藩の松平直政が松江に転封となった際に、信州蕎麦を持ち込んだという人もいる。
今回の特集は、蕎麦を通じて、各地の風土や文化をロマンあふれる紀行の中で紹介していく。