2005年04月30日 13時00分 放送

闇の脅迫者 ~江戸川乱歩の「陰獣」より~

(原作) 江戸川乱歩「陰獣」(角川ホラー文庫)
(脚本) 尾崎将也
(演出) 国本雅広
(出演)
寒川(佐野史郎)・小山田静子(川島なお美)・本田恭子(佐藤仁美)・小山田六郎(中丸新将)・沢田(佐藤二朗)・平田一郎(吉満涼太)・ライター(ふせえり)・代理店の男(乃木涼介)・土屋(NARUKO)・糸川警視正(山下真司)

(あらすじ)
人気推理作家の寒川は、インテリア家具の会社を営み、寒川作品のファンだという女性・小山田静子からある相談を受けた。その相談とは、静子がかつての恋人であった男から、執拗なストーカー行為をされているというものだった。しかも、「必ず復讐してやる」という気味の悪いメッセージをメールで送り続けるその男は、寒川が唯一嫌っている正体不明の作家・大江春泥だという。清楚で美しい静子の不安げな様子を見て、寒川は締め切りの迫る自分の原稿もそっちのけで、大江春泥こと平田一郎を探し出すと約束する。
寒川は交流の深い警視庁の糸川警視正に、それとなくストーカー行為規制法の適用条件について確認。さらに馴染みの編集者・本田恭子に大江の情報を集めさせた。そして、沢田というカメラマンが、大江と接触したことがあるという恭子の情報をもとに、寒川は沢田から大江の写真を入手する。
寒川は静子にその写真を見せ、大江かどうかを判別してもらう。手で顔を隠した瞬間をとらえた写真を見て、静子は平田の感じに似ているとっぷやくのだった。今もどこかで自分は見られているのかと、不安がる静子。しかもその日の夜は、夫の小山田六郎が出張で留守だという。静子が一人になるのを心配した寒川は、小山田家を訪れることを決意する。
その夜、小山田家の呼び鈴を鳴らした寒川は、静子がおびえた表情で現れたことに、何かが起こったことを感じとる。聞けば、平田一郎から気味の悪いメールが送られ、静子の生活を一部始終覗き見していると思わせるメッセージを受け取ったのだという。
寒川は、カーテンの閉じられた部屋を外部から覗き見ることは不可能と判断。しかし静子はどこかに平田の気配を感じると主張する。ぞっとする寒川であったが、偶然倒してしまった花瓶の水が不自然に床を流れるのを見て、家の構造がおかしいことに気がつく。壁の厚みを入れても一メートルほどの誤差があるのだ。外に出て建物全体を見渡した寒川は、物置の配置に疑問を持ち、さらにその奥の壁に隠し扉があることを発見した。
その扉を開け、狭い通路を進んでいくと、なんと居間や寝室が覗き見できる細長いスペースが現れたのだった。衝撃の事実に取り乱しそうになる静子。寒川はその場に、ボタンが一つ落ちているのを発見する。
静子から、この家を購入した経緯を聞くと、夫の小山田六郎がすべての手続きを行ったのだという。寒川は、平田があらかじめ覗き見のできる家を作っておいて、小山田夫妻に買わせるように仕向けたのだと推測する。深刻な事態に、警察への報告をすすめる寒川に対し、静子は夫にすべてを話してからにしたいと返答した。
ところが翌日、静子の夫・小山田六郎が、公園で死体となって発見された。平田の仕業なのか?
静子に惹かれる寒川は、知らず知らずのうちに事件の渦中に引き込まれていく……。