2006.06.19
県からの公開質問状の回答書
田中 康夫 様
代表取締役社長 永澤 征治
2006年6月5日(月)午後6時17分から長野朝日放送「ABNステーション」が放送した「田中県政検証~脱ダム後の浅川」(以後、「田中県政検証」という)に対する田中康夫長野県知事からの「公開質問状」についてお答えします。
「田中県政検証」のテーマは田中県政の重要な政策といえる「脱ダム宣言」後の浅川治水対策と新幹線の用地買収への影響をダム反対派、ダム賛成派双方の住民の声を聞きながら検証したものです。
番組では1993年4月の県と住民の「合意事項」が相談なく変えられたこと、2002年6月以降、田中康夫知事が提案したダムによらない治水対策の具体化がいまだに実現せず、2005年11月の「浅川流域協議会」において示された県の原案も住民の不信感を解消できないことが新幹線用地交渉の大きな障害になっている現状を紹介しました。
以下、項目ごとに回答します。
1. について
回答
先に記したように「ABNステーション」の「田中県政検証」のテーマは浅川の氾濫が「内水」なのか「外水」なのかを詳細に検証することではありません。長野市長沼の住民の不安感や恐怖感の原点は1983年(昭和58年)9月の水害の実体験にあります。こうした実体験に基づく不安感・恐怖感は、番組内で取り上げたダム反対派の方でさえ「上流ではダムが破堤するとか、決壊するという怖さですけど、下流の人は現に水害にあっているんです。ひどい目にあっているんです」と発言し、実際に水害にあった住民の心情を汲み取っているほどです。実際に水害にあった住民の不安感・恐怖感はまさに立場を超えた重要性があると認識しています。
放送した1983年(昭和58年)9月の水害の映像は当社の取材映像ではなく、住民がその時、自ら撮影したものです。まさに実体験の映像です。住民がこうした体験を原点として「ダムが必要」と考えるにいたったことを紹介しましたが、この映像は水害の実態を伝え、住民の心を理解するために必要不可欠であると考えました。その根底には「内水」「外水」に関係なく水害が二度と起きて欲しくないとの住民の強い思いがあります。
また、公開質問状に「一住民の主観的な個人的コメント」とありますが、住民の発言に罪があるのでしょうか。個人の主義主張は主観から発生するもので、インタビューに答えた住民は最も尊重すべき体験に基づきコメントしています。それを無視しなければならないのでしょうか。県との合意事項に「ダムの早期建設」を盛り込んだ長沼の住民の代表的な考え方だと認識しています。
さらに放送では上流のダム反対派の住民の方にも取材をして、反対の理由、浅川の整備計画をめぐる住民参加のあり方等を紹介しており、充分に公正であり視聴者に誤解を与えるような内容ではありません。
2. について
回答
「田中県政検証」のテーマが上に記した内容のため、「内水」か「外水」かについては、言及する必要はありません。
3. について
回答
「田中県政検証」では「浅川ダムは本来なら今年3月に完成しているはずでした。田中県政の象徴ともいえる「脱ダム」宣言から5年余り、ダムに代わる浅川の治水対策の実現はまだ途中にあります」とコメントしました。
さらに「県から示されたダムの代替案は、ため池や遊水地を使って今後20年間で、一定の安全性を確保する」「県は次の計画で、ダムと同じ100年に一度の洪水に耐えられるようにするとしています」と放送しました。この公開質問状にも「将来的に」とあるように治水対策が途中であることは、県自身も認めています。
また河川整備の進捗状況についてですが、放送局は県が望むことを望む通りに放送する機関ではありません。自主的判断と責任ある編集権を持って日々報道しています。
4. について
回答
質問3で回答したとおり、放送局は県が望むことを望む通りに放送する機関ではありません。自主的判断と責任ある編集権を持って日々報道しています。
5.について
回答
青山篤司出納長への取材にあたってはテーマの要点を伝えた上、了承を得て、行っています。報道に際して青山出納長の発言を作為的に変更したり改ざんしたりしていないのは、自明であります。
「田中県政検証」のテーマに関しては、先に説明したとおりで、県が重要ととらえている問題と番組が放送したテーマとは明らかに違うものであり、「事実誤認」なるものは一切ありません。
繰り返しますが、放送局は県の望むことを望む通りに放送する機関ではありません。自主的判断と責任ある編集権を持って日々報道しています。
なお、この質問状に関連して長野朝日放送は下記の件に関して県の回答を求めます。
去る2006年6月7日(水)に「知事と県議会正副議長・各会派代表者との懇談会」の席上、田中康夫知事は2006年6月5日(月)に放送した「ABNステーション」の特集「田中県政検証~脱ダム後の浅川」について
「あえて申し上げれば『捏造』された報道でありまして」と発言しています。
この懇談会は公式のものです。したがって発言も公式のものであり、長野朝日放送として見過すことはできません。『捏造』と発言されたことに強く抗議します。
知事の言う『捏造』の意味と発言がどのような事実に基づくものか根拠を示してください。
以上、文書で回答してください。
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